料理風景

法すれすれのきわどい製法?ドイツのダニ入りチーズ

花の写真 チーズと言えばフランスやイタリアなどが代表的な産地として知られていますが、意外なことにドイツにも古い酪農の歴史があり、色々なチーズが作られてきました。そして他の国と同様に、虫によって熟成したものがあります。

それはドイツのザクセン=アンハルト州のとある村でのみ作られるミルベンケーゼです。生産地の村に記念碑まで建っているチーズなのですが、実は現在のドイツの食品法に照らし合わせると、少し危ないものと言えるかもしれません。

実は国民の大好物!?ドイツはチーズの消費量が多いらしい

 ドイツはフランスと並ぶほどチーズの消費量が多いと聞けば驚くかもしれません。意外にもドイツはチーズの輸出入が盛んな国で、国民の多くが日常的に口にしています。彼の国民にとってなくてはならない食材と言えるでしょう。

ですが国特有のチーズはあまりなく、他の国で食べたことのあるようなものが多いです。数少ないドイツならではのチーズで代表的なものは「カンボゾーラ」ですが、インパクトの強さではミルベンケーゼも負けていないでしょう。

ヴュルヒヴィッツ村という場所でのみ生産されている上記のチーズは、ミモレットなどと同じく発酵の際にダニを用います。ただミモレットと違い、こちらは外皮を落とさず虫ごと一緒に食べるのが一般的なようです。

許可は得ているけど認められていない?ミルベンケーゼの事情

 ミルベンケーゼは中世から作られていた伝統的なチーズであり、しっかりと食品衛生局の許可を得て生産されているので法的には問題ありません。ですが、実はドイツとEU両方の規定に照らし合わせると、グレーゾーンの品物と見ることもできます。

なぜなら、チーズを発酵させるのに使うダニは食品添加物としてはっきりと認められていないからです。つまり「添加物として認可していないものが入っているが、衛生局からの許可は得ている」という奇妙な状態になっています。

ただ、HACCPという安全を確かなものにする管理方法が施されているので、食べるぶんには何の心配もありません。さらには消化にいいともされており、レアなチーズなので口にする人々も多くないのであまり問題視されていないようです。

チーズ好きなら一度は口に!ドイツの小さな村で一口

 さらに、独特の深みある味わいは他のチーズ同様ワインなどともよく合い、きっとドイツパンとの相性も抜群でしょう。イタリアのカース・マルツゥなどと比べれば、はるかに食べやすく安全性の高いチーズと言えます。

しかし、一つの村でしか生産されていないだけあって入手するのは大変難しいものです。日本の市場で見かけることはまずありませんから、食べたいのならドイツに向かい、ヴュルヒヴィッツ村に直接行ってみるしかないでしょう。

世の中には数多くのチーズがありますが、上記のような変わったもの、虫を発酵に利用したものも少なくありません。もしあなたがチーズ好きを自称するのなら一度は口にして、その唯一無二の味わいを体験しておくべきでしょう。