料理風景

極寒の大地で生みだされた発酵食ハカートル

花の写真 シュールストレミングやホンオフェなどは、メディアを通じて日本でもかなり有名になりました。ですが上記の二つに負けないぐらい奇妙な、アイスランドの発酵食品についてはまだあまり知られていないようです。

伝統料理の一つである発酵食「ハカートル」は、映画などで凶暴な生き物としてよく出てくる、とある魚を用いて作られます。驚きの方法で発酵させる彼の食品は、いったいどのような味がするのでしょうか。

腐った鮫を食べる!?アイスランドの伝統料理

 発酵と腐敗は紙一重の違いであり、人にとって有用か有害かで呼び方が変わるといっても間違いではありません。アンモニア臭のするシュールストレミングなどは、限りなく腐敗に近い発酵と言えるでしょう。

アイスランドの伝統料理「ハカートル」も臭いの強烈さやインパクトある味から「腐れ鮫」などと言われることがあります。何を隠そうこの食品、鮫を砂浜に埋めて、魚自身の体液で発酵させるという代物です。

ハカートルのアンモニア臭はかなりきついらしく、死肉を好む鳥類ですら近づきません。おかげで砂浜に安心して埋めることができますが、現地の人間ならともかく、食べたことのない多くの人々は、好んで食べようと思わないでしょう。

日常からは消えた食べもの、フリーマーケットやレストランで試そう

 とはいえ、前述の「砂浜に埋める」方法で発酵させていたのはむかしの話で、現在は塩漬けにした後、陰干ししたり木箱に入れたりして作っているそうです。また、伝統料理ではありますが、残念なことに現地でも今は日常的に食べてはいません。

ですからアイスランドに言った際、もし食べてみたいのなら伝統料理を出すレストランを見つける必要があります。「お店は高くて無理」という方は、首都で開かれるフリーマーケットでも入手できるので、探してみるといいでしょう。

単体で食べるときつく、現地の人々によるとパンに乗せて食べたり、呑み込んだあとに蒸留酒で流し込んだりするといいそうです。購入したものによって薄味のこともあるので、濃い味のものを食べたいならレストランが適しています。

色々なものを食べるからこそ広がる食の世界

 発酵食の多くは偶然の産物であり、おそらくハカートルもはじめは色々な条件が重なった結果、たまたま生まれたものでしょう。しかし、腐敗と思えるほど強烈なアンモニア臭がするにも関わらず、一口食べてみたのは人の意思です。

他の国にある奇妙な料理にも言えることですが、人の食への探究心は驚くべきもので、目を疑うような食べものも少なくありません。ですが常識では考えられないようなものを食べる人がいるからこそ、料理の幅も広がるのでしょう。

ですから好き嫌いに関わらず、ハカートルやホンオフェのようなものも食べてみてはいかがでしょうか。普通では食べられない強烈な味を知ることで、もしかすると新たな食のひらめきがあるかもしれません。