料理風景

ウジより味!?イタリア伝統、カース・マルツゥ

花の写真 イタリアと言えばグルメ大国の一つとして有名です。パスタ、リゾット、ピッツァ、パンナコッタ、ミネストローネなど数限りなくおいしい料理があります。ですが、中には現地人にしか理解できない、珍妙な料理もあるようです。

特にサルデーニャ地方に伝わるチーズ「カース・マルツゥ」は、イタリア人ですら食べるのをためらうほど、変わっています。サルデーニャ語で「腐ったチーズ」を意味するその食べものは、いったいどのようなものなのでしょうか。

美味な羊のチーズ、正体はウジの大群!?

 カース・マルツゥとは、サルデーニャ地方で古くから作られているチーズです。チーズとは思えないほどにクリーミーな食感と強い香り、そしてほのかな苦さが舌に広がる、赤ワインと相性ぴったりの味をしています。

ただ発酵のさせ方が珍しいため、作り方を知った多くの方は近づくことすら嫌がるでしょう。実はこのカース・マルツゥ、もともとはフィオーレ・サルドと呼ばれるチーズなのですが、発酵の過程でチーズバエの幼虫を用います。

つまり、早い話がウジを使って作られたものなのですが、何と発酵後も生きています。要するにチーズごとウジを踊り食いするわけです。サルデーニャでは珍味となっていますが、イタリア人でも駄目という方は少なくありません。

正規ルートでは手に入らない貴重な品!出会えるかどうかはあなた次第

 そんな本国の人間さえためらうカース・マルツゥですが、衛生上の問題などから現在は販売が禁じられています。しかし、サルデーニャではこの法律はあまり守られていないようで、今でも移動販売の闇市があるそうです。

ですので、どうしても食べたいという方はサルデーニャ地方に足を運んでみると、もしかしたら運よく出会えるかもしれません。しかし違法ですので、持ち帰ることはできませんから、よく考えてから購入しましょう。

また、生きたウジが入っていますので持ち運ぶ際はしっかりと袋に入れておく必要があります。絶えず虫がチーズの上で飛び跳ねるそうなので、梱包は念入りにしましょう。もちろん食べる時も、目などに入らないよう注意が必要です。

サルデーニャではどんなものが食べられる?珍味だけでなく美味もある

 さらに「腐ったチーズ」の名前が意味するように、食べても安全である保証はありません。ウジが腸の中に住み着き、腹痛などを起こす危険さえあります。ですから食べる際は最悪の事態も覚悟の上、自己責任で口にしましょう。

上記を読むと「サルデーニャ人はゲテモノ食い」というイメージを抱かれるかもしれませんが、普通のおいしいものもあります。クスクスに似たパスタ「フレーゴラ」や「ボッタルガ」というからすみなどが有名です。

以上、ひっそりと作り売られている珍味から名産品として名高い食材まで、サルデーニャには色々な食べものがあることがわかったでしょう。もし機会があれば、日本では食べられない異国の味を、体験してみてはいかがでしょうか。